FORGOTTEN CIVILIZATION The Role of Solar Outbursts in Our Past and Future By Robert M. Schoch |
注意するに値する他のことはエプセン・ガーダー・ホウグ (201019 ) によってなされた論点である、即ち、大部分の人は大きなハリケーン、竜巻、津波、火山の噴火、あるいは極端な太陽爆発みたいな自然災害のような、所謂低確率であるけれども大影響を与える出来事を嘆かわしいほど知らず、その用意ができていないか、あるいはそれを故意にしかもきっぱりと簡単に無視しているということである。これらの出来事は時々Black Swan20 (珍中の珍) 事象と云われる。状況を一層悪くさせるのは、経済学者、政治家、あるいは科学者であれ、多数の人達が出来事を分析して将来の計画を立てるのに間違ったタイプの数学モデルを使っていることである。特に、分析家はガウスモデルを使って、データーを理論上のベル型曲線即ち正規分布に合わせるかそれでモデル化している。しかしながら、ガウスモデルに比べると、多くの現実の世界の現象は理論上の正規分布で見られるよりももっと高いピークやもっと膨らんだ末尾を持っている21 これは、そのモデルは大変化の確率を、それらが経済市場における価格振幅であろうとあるいは(ホウグの分析した) 太陽活動における変動であろうと、過小評価していることを意味する。太陽に関してとりわけ、ホウグはこう結論した、『太陽活動における突然の予期される大変化はどんなタイプのガウスモデルも仮定するであろうよりも遥かに起きやすい。・・・そのリスクは株の大暴落と景気後退に幾分似ている; 政治家を含めて大多数の人達はそれらが起きる可能性を過小評価しがちである。要するに、大災害に対する計画を立案することや準備に深く関わる人たちを含めて、多数の人はガウス型の思考を持っているように思われる。その人達はBlack Swan (珍中の珍) 現象を理解できないのだ (Haug 201022の10頁)。』
19“When Will God Destroy Our Money?” Please go to http://papers.ssrn.com and search on the article title (article dated April 18; accessed July 3, 2011).
20 訳註: 以下、iFainannce (金融情報サイト) からの引用:
ブラック・スワンは、マーケット(市場)において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のことをいいま す。また、認識論学者で元ヘッジファンド運用者としての経験を持つナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim NicholasTaleb) が、2006 年に刊行した著書「ブラック・スワン(The Black Swan)」で説明している考え方を「ブラック・スワン理論」 と言います。
ブラック・スワン理論(Black swan theory)は、従来、全ての白鳥が白色と信じられていたのが、オーストラリアで黒い 白鳥が発見されたことにより、鳥類学者の常識が大きく崩れることになった出来事から名付けられ、今日では、確率論や従 来からの知識や経験からでは予測できない極端な現象(事象)が発生し、その事象が人々に多大な影響を与えることを総称 したものとなっています。
21 訳註: 何のことを言ってるのかを理解するには、正規分布の曲線の特徴を知っている必要があります。大雑把にいえば、現実の現象の描く曲線は正規分布のような綺麗な形をしていないということです。
22 同上