INTELLIGENCE in NATURE AN INQUIRY INTO KNOWLEDGE |
『粘菌は計算しますよ、』と彼は応えた。『しかしそのプロセスは無意識のレベルで対応するものだ、と私は考えます。』彼は立ち上がって黒板に unconscious level と書いた。彼の見解では、大抵の内部で行われる情報処理はこのレベルで起きている、たとえ人間の中であっても。『私はね、自転車に乗る時、どうやってバランスをとるかその仕方を説明できる人が誰かいるとは思いません。乗っている間、我々の体は、方程式を解くのに要求される計算を全く自然に行なっているのです。我々がそうした事を意識のレベルで明確に定義する事は全くもって難しいものとなるでしょう、だからそれができて採用されているメソッドを発表できたなら、それは科学文献の重要な貢献になるのは疑う余地はないでしょう。』中垣にとっては、生きている生命体は全て無意識の情報処理のメカニズムを持っている。それが intelligence を構成しているかどうかは討論の問題である。自分の研究は、一つの細胞しかない生物が知性を持つのか持たないのかを見つけ出すために、可能な限り素材のレベルで、そうしたメカニズムを明らかにすることにあります、と彼は言った。この努力をする中で、彼は粘菌が理想的な対象であると考えている。