INTELLIGENCE in NATURE AN INQUIRY INTO KNOWLEDGE |
彼らは一匹の日本猿がサツマイモを洗うためにそれらを水の中に浸していることも観察した; やがて彼らはその仕方が群れ全体に拡がったことを記録した5 。彼らはこれを『前文化 (preculture)』と名付けた。日本人科学者達は、猿達が乳児殺しを行うこと、チンパンジーが石の道具を使うことも初めて報告した。数十年間、人間だけがすることだと以前は考えられていた行動に関係するこれらの報告は欧米の科学者達に無視されるか極めて擬人化されたものだとして片付けられるかした。しかし今類人猿の中でフィールドワークを行う日本人のアプローチ法は科学的基準になっている。類人猿を人間のように扱うことによって、日本人霊長類学者達は彼らの欧米の同僚達の前を何歩も先に進んだのである。知性を持つ動物達を扱うことで、彼らは知性を発見したのである。
5 訳註: この部分の記述は著者の勇み足/確認を怠ったこと、によるものではないかと思われます! ウイキペディアによると、「その仕方が群れ全体に拡がった」というのは事実と異なります。それによると:元になった河合雅雄の論文 (KAWAI,M : Newly acquired precultual behaviour of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet, Primates 6:1-30, 1965)では、「幸島でニホンザルの行動観察を行なっていたら、芋を海水で洗って食べる事を覚えた個体が出現し、長期間おこなっていたために、群れの中でそれを真似するものが数頭現れた。」という程度のものである、と書かれています。著者の参考にした論文あるいは本は分かりませんが、もしかしたら、それはライアル・ワトソンの 1979 年の著書『生命潮流』か、1981 年に出版されたケン・キース・ジュニアの著書『百匹目の猿』ではないかと思われます。本書の著者の前作: Cosmic Serpent では、申し分のない詳細かつ完璧な引用文献・参考文献が『その都度つけられていた』ことを思うと、どうして本書ではそれをしなかったのか!、と残念な気持ちになります。なお本書には Notes が148~243 ページ、参考文献が 245~257 ページ、に渡ってつけられています。訳註追記 (2018, 1 月 14 日、14: 57 pm.): 以上を書き終えて私の勘違いかもしれないと思って、京都大学野生生物研究センターのホームページを開きました。そこには次の一文が記載されていました: 幸島には 2008 年 6 月現在約 100 頭のニホンザルが生息しています。この幸島を一躍有名にしたのが「イモ洗いをするサル」です。1953 年に一頭の小猿がサツマイモの土を落とすために小川で洗い始めたのが最初と言われています。そしてこの行動が横に広がりをみせ、次第に他のサルも同じような行動を取るようになりました。このように一つの行動が他の個体に伝播し継続することは「文化」だとされ、当時、人間以外は文化を持たないとされた風潮のなかで「文化を持つサル」として世界的に有名になりました。これは公式の文章です。すると、本書の著者の記した「やがて彼らはその仕方が群れ全体に拡がったことを記録した。」はこの公式文書に基づいたものかもしれません。そうすると、私の早とちりであったことになります。お詫びする次第です。

