『The Super Natural』A new vision of the unexplained の翻訳 |
2014年の12月下旬、アンと私は数名の新しい友人達と夕食をとっていた。その中に共産主義国家時代のルーマニアで育てられた映画製作者の男性がいる。彼は12才の時、一冊の本、推理小説を与えられたこと以外には、何も決して思い出すことの出来ない近接遭遇経験をした。それは面白くもないものだった、一つのことを除いて。その一つのこととは、たくさんある行の中で二重にアンダーラインが引かれた一文のことである。その文章にはこう書いてある:『‘ X9 ’大佐は、あの夜見たことを決して明らかにしないことを約束した。』
この名前は私の知っている軍人の名前であり、我々が所有していた小屋(cabin)の出来事を目撃した人物である10 。彼は秘密情報機関にかかわっているが、何年も、何年もの間の友人である。さて、彼は本当に何を知っているのだろうか、何を見たのだろうか、そしてどんな記憶を自分の墓に持っていこうとしているのだろうか、と思う。もし私がそのような約束をしたのであれば、私は決して、一度だって、約束を破ることはしないだろう、「決してしない」、故に私がその件で彼に約束を破るようそそのかすことは決してしない。それでも、私の疑念は間違いないと確信する。何か異常なことがあの夜起きたのだ、しかも彼はそれを目撃したのだと私は思っている。それは今や夢のように―空想的といえるほどに―見えるので、私は、あの夜性的出会いがあったのかと怪しんでいて、その理由を知りたいと悩まされている。常に、疑念はこうささやくのだ: 「私に子供が一人あるいはそれ以上にいるのだろうか、何か別の現実世界に?」と。
9 訳註 その原文には実名が記されているが、事の性質上この本では実名は伏せていることに注意されたい !
10 訳註 この説明でその人が誰であるか知る人ぞ知るである!