HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#504 |
置かれた立場を確かめる為に、ちょっと二人の重要な現代人の思想に戻るとよい: (まず)トルストイ12 、叙事詩的作品を書いた最近の偉大な作家。そして(もう一人は) シモーヌヴェイユ13 、キリスト教界の最近の偉大な聖者、例えグノーシス派であっても。
12【Lev Nikolayevich Tolstoi】ロシアの小説家・思想家。領地の農民の教育事業に取り組むかたわら作家活動。独自のキリスト教的立場 (トルストイ主義 を提唱。私有財産や性欲を否定し、悪への無抵抗や反戦を説き、社会・教会・芸術批判を展開、道徳的権威として世界的に大きな影響力を持った。1910 年家出を決行、寒村の駅舎で病死。著作に、長編「戦争と平和」「アンナ=カレーニナ」「復活」、戯曲「闇の力」、創作民話「イワンのばか」、論文「懺悔」など。(1828~1910)広辞苑第六版
131909-43; フランスの哲学者神秘主義者。彼女は自著の中で、キリストに出会ったことを書いている。訳註 (以下の記述の一部はウイキペディアから引用しています) : 彼女の兄アンドレヴェイユは数学者の世界では極めて有名であり、数論、代数幾何学に大きな業績を残した天才数学者である。数論と代数幾何学の深いつながりに関する彼の「ヴェイユ予想」は数論と代数幾何学の深いつながりについて予想されたもので、リーマン仮説の類似の一つであるが、その後のセールやグロタンディークの活躍につながった。またヴェイユ予想の解決(何人かの日本人数学者も関わっている)は 20 世紀の数学の大きな出来事でもあった。数学は少数の天才によって進歩するのであって、2 流以下の数学者たちは共鳴箱にすぎないとも言っている( 私もそう思います)が、彼自身の書いた自伝を読むと、その驚異的な記憶力には圧倒される。彼及び彼に関係した人物の話したことが、時間と場所を問わず、「すべて」克明に記されている。天才かくあるべし、とため息が出る。