HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#467 |
Cornford の意見はもっともであるが、それでは殆ど仕事にならない、それにそうだと認められる「自然な」仮定はない。「テマイオス」のデミウルゴスは余りにも組織固守者すぎるのでその解答を認めることは出来ない。それどころか、ある新しい原理、ある新しい「次元」が正にここで導入されねばならない理由が現れてくる―工匠神 (デミウルゴス94 ) が、徐々にかつ組織的に、「テマイオス」35に記されているところの、「存在するもの」と「同じもの (赤道)」そして「異なるもの (黄道)」を彼自ら混合した物を減じてゆく方法を注意深く観察してみると。
永遠なるものは「外側に」最も高くかつ最も遠くひとつにとどまっている。内側では、時間、永遠に続く姿、が数に従って動いている、「同じもの」、赤道、という意味で天球が毎日回転することにより動いている、そして時間を道具にして惑星は、「異なるもの」、即ち黄道、の上を逆の方向に移動する。それらがあわさって、「8つの運動」となって現れている。次のステップ、惑星から生き物へのステップに移るとともに、数に従う動きは妨げられる。ゆえに、世代によって基本的に異なる質の「動き」がそれにおきかわらねばならないのである(プラトンの大きな嘆きとなっているが)。
94 (工匠の意) プラトンが「ティマイオス」篇で、原型としてのイデアにのっとって素材から世界を形成する神につけた名から、デミウルゴスを工匠神とよんでいる。