HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#389 |
示しておいたように、エリダヌスは占星術家達からは、そこから天の南極が見える領域を含め多くの領域を持つ地下世界の中を流れる渦巻 (zalos)と理解されていた。ウェルギリウスは「農耕歌」(1.242f.) の中でこう書いている:『一本の柱が全く我々の頭上高く立っている。一方我々の足の下には他のものが見られる、黒い三途の川と地獄の影でできたものが。』それにしても、何故馭者座がエリダヌス座と同時に浄化されたのか、そしてこれら二つの星座が天の川に取って代わらねばならなかったのか?銀河は北と南を、上下に、結ぶベルトだったし、また今もそうである。しかし、春分が双子座で、秋分が射手座であった黄金時代には、天の川は目に見える二分経線を表わしていた;本当のところ、かなりぼやけたものであるが、天の北と南は赤道と黄道の交差するこの邪魔されることのない広いアーチによって結ばれていた。3つの大きな軸は結合され、神々、生者そして死者の『3つの世界』を包含する銀河の並木道だった。この『黄金の』状態は過ぎ去ってしまい、エリダヌス座に(一部分)不可視の南に「人の住む世界」と死者の住居を繋ぐ銀河の機能が託されたのである。馭者座は、銀河の北側に、出来るだけうまく神々の領域と人の住む世界をむすぶ義務を引き継いだのである。不死の者、生者そして死者を一緒に足かせをかける、目で見ることの出来る連続したバンドはもはや存在しなかった: クロノスだけが人間達の中で楽しく平和に暮らしたのである。