2015年 11月 11日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#318 |
翻訳続き#318
空に渦巻があることはよく知られている;それは最も多分重要なものであり、正確に位置がわかっている。それはオリオンの足下にある zalos という名の星のグループである。リゲル Rigel(オリオン座の β 星、Rigel は足を意味するアラビア語である)近くにあって、その称号は Hermes Trismegistos(『原註略』) に従って『死』と呼ばれるが、一方マオリ族は、リゲルは冥界(Castor は原初の母国だと指摘している)への道をマークしているときっぱり主張している。占星学者アンチオコスは牡牛座とともに昇る星々の中にある渦を数えている。Franz Boll は、アンチオコスの記述の妥当性に鋭い異議を申し立てていて、 zalos は実際にはオリオンの足から流れるエリダヌス座(Eridanus:《南天の星座; α 星 Achernar (0.5 等); the River ともいう》研究社新英和大辞典第6版。【ギリシャ神話】エーリダノス《ファエトンがゼウスの怒りの電光に撃たれ墜死した川》リーダーズ英和辞典第3版)に違いないと結論している(『原註略』)。さてエリダヌス座、 ファエトンの水の墓場—アタナシウスキルヒャーの南半球の星図ではいまだにファエトンの亡骸がその水流に横たわっている—は、他の世界に通ずる星の川として理解されていたのである。今回星空を調べた所、もともとその亡骸は立っていたことがわかった。さらにここに決定的な証拠が現れる。あの神秘的な場所、pĩnãrãti 、字義通り訳すと『河口』だが、意味の上では『川の合流地点』となるが、その場所はバビロニア人達によって Eridu と伝統的に同一視されていたのである。しかし Eridu の考古学上の跡は二つのメソポタミアの川の合流地点の近くにはどこにもない。それは、別々に紅海に流れ込むチグリス川とユーフラテス川の間、高い場所にある。沖積土で出来た陸地の拡大によって二つの川の河口から Eridu が消失したと提案された説明では、pĩnãrãti という神話上のトポス概念を理解するのに大して貢献していなかった。それで、困惑した言語学者の中には絶望の余り、そのような印象的な河川工事を行った同じ古代の人々がどちらの方向に水が流れるのか全く知らない代わり、その二つの川はペルシャ湾に源流があると信じていたのだと看做す者もいたのである。
by bbex243054
| 2015-11-11 16:28
| 科学
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