2015年 11月 10日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#315 |
翻訳続き#315
ここにはパイドンの幾つかの特色がみられるが、それらはギルガメッシュの中に再び見いだされることになろう。Hvergelmer や他の渦巻が干満を説明するものであると先に指摘しておいたけれども、それが否定されることはない。(多分、天体レベルから干満が何を意味しているのか理解出来るだろう。)しかし干満を生み出すものとしてのモスケンの大渦巻が周辺の特徴を説明するものではないこと、Rydberg が触れた数少ない事すら説明するものではないことは明らかである—例えば、海底にある控えの間で溺死した船乗り達の魂を親切に受け入れる海神 エーギル Aegir の妻—さらに、モスケンの大渦巻に呑み込まれたフリジア人冒険者達が、巨人達が山の洞窟に潜伏している黄金に満ちた輝く島を、突然発見した事情も説明しない。この島は、クロノス(Kronos/Saturn)が黄金の山の洞窟に眠っているオギュギア島に非常に似ているが、ラーンの応接間は—ラーンの夫エーギル Aegir はビール飲みで有名だが、彼の広間は、ロキが全ての同僚の神々に(『古エッダ』に登場する詩の一節の)『ロキの口論』の中で伝えられているように提供した広間である—むしろ、プロメテウスの妹カリプソの島の意味の、海の臍 Omphalos Thalasses と呼ばれる、オギュギア島を示している。カリプソは、『全ての海の深さを知っている』アトラス(Atlas:【ギリシャ神話】 《天空を双肩に担う巨人 (Titan); Atlas 山脈を象徴したものといわれる》研究社新英和大辞典第6版)の娘である。カリプソは、深海に住み後にギルガメッシュの物語の中に見いだされることになる、神々しい酒場のホステス Siduri と権威筋から比較されてきた。(『原註略』)
訳註・参考事項 :『ロキの口論』(古ノルド語:Lokasenna ):
この詩の中でロキは他の神々と侮言の応酬を繰り広げ、彼らを告発する。この物語はバルドルの死の後の話である。エーギルの館では宴が催されており、多くの神々やアールヴたちが集まっていた。エーギルの従者であるフィマフェングとエルディルは神々の称賛を受けていた。ロキはそれに耐え切れず、フィマフェングを殺害する。外へと追い出されたロキは、エルディルと話を交わす。ロキが会場に戻ってくると、神々は静まりかえった。ロキは「血の約束」(ロキとオーディンが互いの血を混ぜ合わせ、義理の親子となったこと)を盾にとり、オーディンに自分の席と酒杯を用意するよう要求する。オーディンはそれに応じ、息子ヴィーザルに用意させる。ロキはまず、ブラギが臆病者であると指摘する。他の神々は間に割って入り、ロキを咎め、あるいは宥めようとするが、逆に彼に罪や欠点を暴露され、次々と侮辱されることになる。イズン、ゲフィオン、オーディン、フリッグ、フレイヤ、ニョルズ、テュール、フレイ、ビュグヴィル、ヘイムダル、スカジ、シヴ、ベイラらがその対象となった。そこにトールが帰ってくる。彼は東方に出かけており、宴会に出席していなかったのだ。 トールはロキを威すが、また彼もウートガルザ・ロキの策略に嵌ったことを告発される。最後にロキは「全てが火に包まれる」ことをほのめかして退出する。韻文部の後に続く散文部では、ロキの捕縛と呼ばれる挿話が触れられている(その詳細は『スノッリのエッダ』第1部『ギュルヴィたぶらかし』第50章で語られている)。この挿話を経て、北欧神話の物語はラグナロクへと向かうことになる(以上ウイキペディアから引用)。
by bbex243054
| 2015-11-10 10:29
| 科学
|
Comments(0)