2015年 11月 03日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#306 |
翻訳続き#306
異常なテーマがセットされた、即ち『再生する魚』というテーマである。これはギルガメッシュから Glaukos までつまりアレキサンダー大王までの、中東神話の中心的なテーマであることは後で明らかにしよう。その時には再び3つの河口が登場することになる。これらは Kane の『命の泉 spring of life』の概念を際立たせるのに役に立つといえよう、そうでなければ民話学者達にとっては『命の泉』は『若さの泉 Fountain of Youth』として知られる場所と思われるだろう。しかし本当にびっくりすることが良い印象のピタゴラス学派の伝説に見つけられるのである。プルタークは彼のエッセイ『何故託宣は答えをあたえることはないのか』の中で、我々にこう伝えている(422E):Petron、初期のイタリア学派の中のピタゴラス学派の一人、偉大な医者 Alcmaeon(おおよそB. C. 550)の友人であり同時代人であったが、彼は、多くの世界が存在するに違いない—そのうちの183の世界の存在する事を理論化したのである。この183の世界についてはもっと多くの事が 、託宣の廃れている事に関する会話の参加者の一人 Kleombrotos によって報告されている。彼は自分の情報をある神秘的な『人』から受け取ったのである。その『人』はペルシャ湾の近くで毎年一度だけ人間達に合う事にしていて、『それ以外の日々はあちこち移動するニンフ達(nymph:海・川・泉・小山・森などに住む半神半人の少女。研究社新英和大辞典第6版)や半神達と共同生活をしていた』(421 A)。Kleombrotos によると、その『人』がこれら183個の世界を正三角形の上に、各辺にそれぞれ60個の世界そして各頂点に特別な一つの世界を置いたのである。理由は与えられなかったが、しかし:
それらは、一つの円になっていて、一つは必ず別のものに触れているように順番に並べられていた、輪になって踊るみたいに。その三角形の中の平面は・・・これら全ての世界に対し、土台でありかつ共通の「祭壇」になっている。その平面は「真理の平面 the Plain of Truth」と呼ばれ、存在した、または存在するようになる、あらゆる物事の、デザイン、鋳型、アイディア、そして不変の典型がその中にある;そのあたりには『永遠の存在 Eternity』があり、そこから、川から流れるように『時』が世界に流れたのである。さらに、あの人間の魂は、この世で良く生きた時には、『一万年に一度』それらのアイディアを本当に見るのである;しかもここ我々の住む地で催される最も神聖な神秘的儀式といえどもこの聖なるヴィジョンには遠く及ばないのである。(原註 プルターク、衰退した託宣について De defectu oraculorum、ch. 22, 422BC.)
これは一体何か?プラトンの形而上学の神秘的な原型なのだろうか?それに、何故、再び生きている水の湖になるという『真理の平面』がこのような三角形なのか?ピタゴラス学派は説明するのを嫌がった。プルタークもそうだった。
(原註 プロクロス(プラトンのティマイオス注解、138B、Diehl 編、BT, vo. 1, p. 454)は説明するのは『野蛮人の意見』であると主張した。彼は、その三角形の真理の平面、別称我々の知っている出口のある『湖』、には特別な興味を示していないが、その180個の『下位の従属する』世界と三角形の頂点にある3個の『指導的な』世界について多くの事を言っており、それ等の解釈の仕方を語っている。それに対し Festugiére は、プロクロスの注解の(高く評価された素晴らしい)翻訳において、こう注意している(vol. 2, p. 336, n. 1):「プロクロスがプルタークと勝るとも劣らないことに気がつくだろう。プロクロスはこれらのピタゴラス学派が自ら行った労作を読んだのだろうか?」)
しかしここには少なくとも一つの、永遠の存在と時の流れを結ぶ本来の道がある。それを他の人が幾何学的なファンタジーに表わした時、ピタゴラス学派の表わしたファンタジーに勝る事は出来なかったのである。
・・・・第13章終了・・・・
by bbex243054
| 2015-11-03 11:10
| 科学
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