2015年 10月 24日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#287 |
翻訳続き#287
その心理を知りたいのなら、ソクラテスに、非常に違った人生の時期にいた時のソクラテスに戻ればよい。彼は、テアイテトス(152E)の中で実際にその心理を語っているのである:『ホメロスが神々と母神テテュス(Uranus の娘で海神 Oceanus の妻)が出現した大洋の不思議さを歌う時、ホメロスはあらゆるものが満ち潮と運動から生まれたとは言っていないのではなかろうか?』この大洋は潮汐以外のイメージになるだろうか?という疑問がソクラテスに生じたのである。しかし、ソクラテスの時代の『エーゲ』は波を意味しており、潮汐の意味はなかった。だから、彼にイメージされたのはオケアノスに関するヘシオドスの記述(神統紀790ff.)から生じたイメージである:『9つの渦巻く水流でオケアノスは地面を吹き払い潮を広く引き戻してそれから本流に落とし込む;しかし十番目の水流は岩から流れだす、これが神々にとっては苦難の悩みとなる。』この忌まわしい十番目の水流こそステュクスの川(三途の川)である。
Jane Harrison は正しかったのだ。オケアノスは我々の大洋ではなく『別の所で生まれた』ものである。
by bbex243054
| 2015-10-24 10:15
| 科学
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