2015年 08月 26日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#146 |
翻訳続き#146
叙事詩カレワラの Kullervo の変則的で異常な立場は謎のままである。リョンルートはカレワラに登場する Kullervo を同一人物と理解しているが、注意しておいたように、彼は入れ替わっている、別の時代からやって来たようである。このように同一人物と見るには不釣り合いなことが多いのである。発見された変形に基づいて、彼は Vainamoinen の逝去した後にだけ現れると思われるという大胆な提案がなされていた。実際、彼こそ Vainamoinen を場面から退かせた名前のない不思議な力を持つ子供である、だから二人が会うことは決してないのだ、というのである。今日の人達はその子供はキリストその人であると理解しているが、それはキリスト教会の影響を受けて広く受け入れられるようになったのである。ウェルギリウス(訳註 古代ローマの詩人で別名バ ージル。)の4篇目の「牧歌(訳註 牧夫を主とした対話体の短詩; 牧歌, 田園詩。研究社新英和大辞典第6版)」にある「子供」も後には同じくキリストのことであると考えられたのである。それでウェルギリウスは予言する力がある(と思われている)魔術師として評判になった。実際には、その詩の中で、母親は Vainamoinen と私生児の小さな息子(50.199f.)についてこう語る:『この子は偉大な支配者になるわ。完全に Vainamoinen のような力があるのよ。』これがカレワラの英語板編集者の心に浮かんだ。赤ん坊(の Kullervo)が『2週間経った Kaleva』そっくりとも呼ばれているから Kullervo はさらに上位の人であるとの考えが浮かんだのだ。というのも、Kullervo はフィンランドとエストニアの伝説ではどちらも Kaleva の唯一の息子、『Kalevanpoika』または『Kalevipoeg』、であり総称的に「sons 息子」とだけで呼ばれている他の英雄達よりも遥かに多くのことが明らかにされているからである。まもなく明らかになる理由から、時間を超えた聖人(Vainamoinen)の後に引き続いて Vainamoinen が、時間に制限された悲劇の化身になって登場するのはこの神話の絵にうまく合うことになる。
by bbex243054
| 2015-08-26 10:39
| 科学
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