2015年 08月 20日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#129 |
翻訳続き#129
主要な続きになっている物語は、巨大な臼、Sampo と呼ばれる臼を、鍛造して獲得するあたりに構成されている(ルーン10では鍛造することが取り扱われ、ルーン39−42では Sampo を盗み出すことが取り扱われている)。
Comparetti の研究によって、この Sampo に関する胸がワクワクする冒険的な出来事は(オデュッセイアの地下世界訪問のような)独特なユニット、『言葉では伝えることができないままになっている神話構成』であること、さらにそのことは伝説の残りの部分と多少とも繋がりを持っていることが示された(原註 D. Comparetti, The Traditional Poetry of the Finns (1898))。民話伝説はその意義を失っており、Sampo を漠然と、恩恵を与えるなにか魔法の物、一種の「ギリシャ神話の豊饒の角(訳註 幼い Zeus に乳を与えたやぎ Amalthea の角; その所有者が欲しい物はなんでも豊富に作りだす; horn of plenty ともいう。研究社新英和大辞典第6版)」として取り扱っている。しかしオリジナルな物語では全く明確に限定されているのである。
『賢明で忠実』で最も傑出した魔法使いの Vainamoinen は、オデュッセイアが船の難破後 Skyra に上陸するという話の筋と全く同じように、Pohjola の海岸に打ち上げられる。彼は Pohjola の女王(Whore とも呼ばれる)Louhi のもてなしを受けるが、彼女は Sampo を作ってくれるよう彼に依頼する、説明もせず。彼は太古の鍛治屋である Ilmarinen だけがそれを出来ることを伝える。そこで彼女は Ilmari-
nen を連れてくるよう Vainamoinen を船で家に送る。 Ilmarinen は、『兄』と愉快な遊び仲間に、嘘つきや中身のないお喋り家のようにかなり軽薄に話をして、鉱石産出には興味を持たない。それで 最長老で賢者の中の賢者たる Vainamoinen は恥ずべきトリックを用いる。 鍛冶屋の Ilmarinen を一本の高い松の話で誘惑する。
Vainamoinen はこう語る: その松はおおきく育っているんだぜ
Osmo の野原の境界近くに。
その最頂部に月が輝いており、
大枝には一匹の熊が休んでいるんだ。
Ilmarinen は彼の話を信じない;彼らは共にそこに、Osmo の野原の端に行く、
鍛冶屋は歩みを止めた、
驚いたことに松の樹に、
巨大な熊が大枝に乗っかり、
そのうえ月がそのてっぺんにいた。
Ilmarinen は即座に樹に登り星々を掴もうとする。
by bbex243054
| 2015-08-20 10:40
| 科学
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