2015年 08月 07日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#96 |
翻訳続き#96
(最初の数行が#95と重複することをご了承ください.話の筋が途切れないようにするためにしました。)
テキストが改善される小さな例を挙げるがそれによってそのやり方が知られよう。Dümichen によって出版されている(エジプトにある)デンデラ遺跡の銘刻文にある女神ハトホル Hathor(訳註 エジプト神話のHorus の母, 世界を生んだ天の雌牛; 愛と喜びの女神; ギリシャ神話の Aphrodite に相当; 雌牛の頭を持った姿に描かれる。研究社新英和大辞典第6版)は『the lady of every joy すべての喜びの貴婦人』と呼ばれている。
一度だけ、Dümichen はこう書き加えている:『文字通りには・・・・「the la-
dy of every heart circuit」(『原註略』)である。』これは「エジプト人達は血液が循環していることを発見していた」といっているのではない。そうではなくて、『heart』という単語には決まったサインがあって、それはしばしば、よく知られた天文学上のあるいは測量学上の記号、『merkhet』で用いられる測深線、の端にあるおもりで描かれている。明らかに、『heart』は非常に特殊なもの、謂わば『重力の中心』である(原註 『heart』のサインは『the middle, the center 真ん中、中心』を表わすものとして一般に使われていた。以下『原註略』)。するとこれは全く別の方向に導くことになろう。アラブ人達は、とりわけ『Kalb at-tai-man(heart of s-
outh)』星と呼んでいる、カノープス Canopus(竜骨座 (Carina) の α 星; 全天第二の輝星)を表わすひとつの名前を持ち続けた(『原註略』):Suhail el-wezn、『Canopus Pond-
erosus』つまり非常に重い Canopous という意味だが、専門家達によって「無意味なもの」と即座に宣言された星の名前を、守り続けたのである。しかし「非常に重い Canopous」という説明は、カノープスが(昼夜平分面上で黄道帯の南側のアーク、秋分から冬至を経て春分に至る部分を表わす)『waters below』の南極にある非常に重い星として重要な位置にふさわしく置かれていたのは、カノープスが測深線の端にある重さになっている事で表わされており(つまり重さを、非常に軽い、やや軽い、軽い、重い、やや重い、非常に重い、の順に並べると、ぴったし一番端が「非常に重い」となる)古代の体系が如何に巧く説明することが出来るものであるかを示している。ここに、正しいか正しくないかどちらかの推論のチェーンがあるが、それをテストするのが妥当である。まず、ハトホル Hathor を『 lady of every joy 』と訳してしまうとこれからは全く何の推論も生まれて来なくなる。それで、その行は Ha-
thor = Hat Hor、『House of Horus ホルス(訳註 天空神, 太陽神; 鷹の頭をした神; Osiris と Isis の息子)の館』と理解して読めば、ハトホルが固有の天体(カノープスかどうかがほのめかされている)の大変革かそれとも、『every』という翻訳を信頼出来るならば、あらゆる天体の大変革を『管理』していることを述べているように思われる。支配する貴婦人の特定に関しては、もっと可能性の高いのはシリウス(訳註「熱い」の意のギリシア語から)大犬座の首星。光輝全天随一の青白色恒星。光度マイナス1.5等。距離8.7光年。白色矮星わいせいと連星を成す。オリオン座に続いて冬の空を飾る。古代エジプトにおいて太陽暦の生まれる基準になった恒星として有名。漢名は天狼星。 広辞苑第六版)であるが、金星 Venus をその可能性から外すことは出来ない;メキシコでは、同じように、金星は『heart of the earth』と呼ばれているからである。さて、読者の皆さんは、ご自分で、何千年もにわたって『 lady of every joy 』というような原始的と思わせるあるいは詩的な解釈が行われているとこうなるに違いないと想像されては如何でしょう:エジプト人が知的な人生を送っていたという解釈は美的外観を損なう酷い解釈である。
by bbex243054
| 2015-08-07 15:09
| 科学
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