2015年 08月 06日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#93 |
翻訳続き#93
この種の疑問は、真の問題箇所を正確についているが、2世紀前の社会人類学、そして人類学的社会学を台無しにするに十分だっただろう。最新の神経生理学の結果、誕生後脳にミクロニューロンが作られる等々、から生じる驚くべき問題の要点を十分知っているけれども、「遅かれ早かれ新しいその名にふさわしい社会人類学、新しい意味合いをすべて説明する社会人類学をつくることになる優れた頭脳の持ち主は、パスカルの問いかけた僅かな疑問と同じ疑問に反した自分に気がつくだろう」と言う以上の仮説をでっちあげる権利は我々には決してない。
多くの誤解の正に源になっている問題、翻訳の問題についてさらにもう少し話さねばならない。たいていのテキストは、それらが本当にオリジナルに書かれているならば、遠縁のほぼ消え去った遥か昔からの言語で書かれている。翻訳の仕事は、そのような言語の辞書と文法を再構築しなければならなかった献身的な、そして非常に専門的な言語学者達のギルドに引き受けられていた。彼らの努力を忘れてしまっては酷いたしなみとなろうが、誤りが幾つかの層になっていることを考慮に入れなければならないのである:(1)先入観からや彼らの時代の(心理学的かつ哲学的な)十分植えつけられた偏見から生じる個人的なあるいは組織的な誤り;(2)我々の言語の、我々の言葉の使用に関する組織のアーキテクチャーの、ごく少数の人がしっているところの、構造そのもの。これらが層をなしているのである。嘗てシュレディンガー(
Erwin Schrödinger)は素晴らしい、表題が『量子ジャンプはあるか?』の論文を書いたが、それは現代物理学の十分よく研究された分野の人達の中に滅多にない程多くの誤解を持ち込んだ(原註 British Journal for the Philosophy of Science 3 (1952), pp. 112ff.)。しかもそのすべては遥か昔の思想家達を過小評したことに由来する、別の大きな誤りと結びつくのである。我々は、5,000 〜10,000 年前には、手許に手段を持って研究していた、ケプラー、ガウス、あるいはアインシュタインのレベルの思想家達が多分相当いたという考えを本能的に捨ててしまう。
by bbex243054
| 2015-08-06 14:44
| 科学
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