2015年 04月 20日
WHITLEY STRIEBER氏の著書「THE KEY」 翻訳 #8 |
それとも白日夢なのか? 時間移動が(理論上)可能であることは知られている。しかし、それは、光速を超える加速で生じる劇的な身体の変化を伴うことになる。だから、そんなことがホテルの一室で起こったなんて、まさかあり得ないと誰しも思うだろう。もしも実際にそんなことが起こったら、素粒子とか光子といった多数の粒子に影響を与えるだけではすまないだろう。
しかしながら、100年以上前は、この地球上でわずか数千台の自動車と脆くて役にもたたない飛行機があったにすぎないことを考えると、時間移動の起こった可能性を全然軽視することは明らかに愚かなことだろう、とりわけ、それが出来るように知能を持つ機械が未来では使われているとすれば、である。
それにしてもだ、「あの方」が未来から来たとしても、そんなことをすることが許される自由があったとは理解しがたいことである。というのは、宇宙が遍く持つ自然の性質とされる『最小作用の法則』(訳注: principle of least actionの訳語。物理学の専門用語:作用量と呼ばれる力学系の量が実際に起こる運動においては極小になるという原理【研究社 新英和大辞典第6版】のことだが、一般人には意味不明なんのこっちゃである。)がはたらくからである。
その法則によって、如何なる人であれ未来から過去を変える為にやってくることはできないだろうと考えられる。この法則は「自然は、必要なことをするために最小限のエネルギーしか絶対使わない」と教えている。すなわち、水は高きから低きを流るを良しとする、つまり「水は流れるのに最も低き場所を探す」ということであり、今の場合に当てはめると「過去に戻って自分の祖父を殺すことで空間と時間に矛盾をもたらすこと(『グランパ パラドックス』)は出来ない」ということだ。
けれども、興味あることだが、もし自分自身の人生に影響をおよぼさないのであれば、多分数える程度の事柄だろうが、自分の過去に戻ってそれらに何かをすることができることは十分あり得るかも知れない。『グランパ パラドックス』が、自分自身の過去を変える為に未来で出来る範囲をどの程度制限するのか、については憶測するだけである。
by bbex243054
| 2015-04-20 14:40
| 科学
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