『The Super Natural』A new vision of the unexplained の翻訳 |
ここであなたの為にそのような比較をちょっとさせてください。インドのタントラの伝承とアメリカの (エイリアンによる) 誘拐文献の間に対応するものがあることは全く顕著である―両方の伝承について偶々何か知っている比較研究家30 の目を大きく開かすに十分な程顕著なのである。両方の中心になっているものは、例えば、異常な力即ちタントラの訓練・ヨガによって授けられるsiihis と自発的な誘拐経験の幅広い範囲に見られる。テレパシーによる伝達、 (非物質的霊的存在と) 交信してえられた啓示、空中浮揚あるいは霊的飛行、といったことはもっとも広く報告されたものの一部である。また、両方に主要なことは、トランス状態になることや幅広い範囲に見られる憑依状態になること、どちらも肯定的かつ否定的、である―無上の歓びと恐怖がたくさんある。
この世に生を持たない存在とのセックスは両方の文献の主要な関心にもなっている。それらエロチックな遭遇は完全に無意識的すなわち探し求められたものではなかったかも知れないが、多数の誘拐文献に見るように、一種の人間とエイリアンのハイブリッドへ導いている。それとも、それらは儀式的に黙想的に、ある特別な神の姿をしたもの、神としてはっきりと人間に神格化されたものと交流する即ち一体になる方向に教化されていたのかも知れない、ヒンドゥー教や仏教にあるタントラの伝承の中に見られるように。タントラと誘拐文献のどちらも、様々な種類の不思議な光の現象、霊的な光の体、この世のものと思われぬ輝き、背骨の基底で覚醒して、脊柱を駆け上り(あるいは駈け下り) 頭頂にしばしば意識を持つ光の球あるいは花のように浮かぶエネルギーのエキゾチックな形体31 、で満ちている。その力やエネルギーが薄気味悪程似ているとおもわれるのに、それらの文化上の表現や神話上の表現は劇的な程に違ったままなのである。
30 《言語学文学その他の学問分野で比較研究を適用する人》研究社新英和大辞典第6版
31 訳註 所謂クンダリニーのことである。