『The Super Natural』A new vision of the unexplained の翻訳 |
滅多にコメントされることのないところのすべて男性という文法のもう一つの影響は、それは霊界に与えており、その世界では人間の男性は交流する、況やエロチックにかつ愛しながら合体するといったような、『彼女 (Her)』がいないのである。唯『彼 (He)』がいるだけなのである。この理由から、イエスは最側近の男性の弟子達に、天の王国の為には結婚しないで自ら去勢するよう要求したのである (マタイ伝19:129 ): どうやら、彼は彼らが性的関心を(今後)持たないことそして神(the divine)と女性的な関係をとることを望んだらしい。この理由から、パウロは彼のすべての弟子、男性と女性も同様に、キリストの為に「童貞・処女」になって男性神と結婚することを望んだのである(コリント人への手紙 2、11:2)。この理由から、ローマカトリック教の二人の聖画像の女性が、処女マリアとマグダラのマリア、即ち、生涯処女かつ独身生活の女性パトロン (異性愛はしないという意味) そして懺悔した娼婦 (もう異性愛は持たない、という意味) になっているのである。この理由から、カトリックの伝承のうちで最高の聖者達の中に『bridal mystics』と呼ばれた者がいたのである。彼らはー男や女も同様に―男性神と結婚して彼の連れ合いになったのである。現代的な言葉でいえば、一種の霊的または昇華した『ゲイの結婚』が何世紀もの間男性のキリスト教神秘家達のノルマだった、ということになる10 。この理由から、男性の異性愛―現実の女性に対する欲望かつ女性との愛のまわりには、勿論、肉体的にかつ精神的に向けられている―は長い間、「この世の」2番目に選ぶこととして処理されたか、あるいは純粋に身体上のこととして完全に世俗化されていた。
9 訳註 岩波文庫版「福音書」129頁5-8行にこう翻訳されている: というのは、同じ独身でも、母の胎内から結婚出来ない様に生まれついた者があり、また人から無理に結婚出来ない様にされた者があり、また天の国の為に自分で決心して結婚しない者がある。この最後の者が本当の独身である。出来るものはしたがよかろう。
10 私は、マグダラのマリアが娼婦だったという確かな歴史的証拠はないことをよく知っている。私はここでその伝承を記しているのであって、文献上のかつ歴史上の証拠を記しているのではない。マリアが生涯処女であったかは、勿論、確かな歴史上の証拠はない。しかしそのことは別の話である。