HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#491 |
一つの火は北部から、他の火は南部から、取って来られるという不動のルールがあるのか無いのかはまだはっきりしていない; 両方の方法が採用されている。例えば、フィンランド人は『空の臍には』火の『揺りかご』があって、そこから火が 7つまたは 9つの空を突き抜けて海の中に、その場合には、海の底まで駆け込むと主張している31 。そしてテスカトリポカは、洪水の後、2-Reedの年に火が起こされた時も、天の北極に座っていると主張されている。これに対して、メソポタミアの所謂火の神について次のように云われている:
Gibil、Ea が恐ろしい程の輝き [=mellamu ] で飾った高貴な英雄、純粋な apsu の中で育ったもの、運命を(決める)処の Eridu で無尽蔵の準備がなされるもの、その純粋な光りが天に達 するもの―彼の輝ける舌は雷光のように閃光を放つ; Gibil の光りは日中の光りのようにギラギラ輝く32。
Gibil は、短く、『英雄、Apsu の子』とも呼ばれる。「恐ろしい程の輝き」―melammu/hvarna―で飾られた火が Eridu で準備されるとしたら、丁度、リグヴェーダのアグニ33-Matarishvan と同じように、Agni の神々、『火の素』の中から一つが『河川の合流地点で』求められねばならなかった (appendix #38) ように、Eridu で調達されねばならないと結論するのは許されべきである。
31 K. Krohn, Magische Ursprungrunen der Finnen (1924), p. 115.
32 W. F. Albright, 「The Mouth of the Rivers」, AJSL 35 (1919), p. 165; see also K. Tallqvist, AkkadischeGötterepitheta, (1939), p. 313.
33【インド神話】火の神で Veda 神話中の主要な神。