HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#487 |
牡鹿が歌い踊るというのは前ピタゴラス学派のテーマの一つと複雑に入り組んでいる。しかもそのテーマが米国北西部からさらに別の話の中に完全な形で現れる。キツツキの息子は、自分の弓を射る前に、歌を一つ吟唱した、彼が自分の音程が正しいと分るや否や、放たれた矢はすべて、天に矢の橋を造るまで、矢先をひとつにくっついた。ジェームズ フレーザー卿17自身このテーマをギカントマキア18 戦争でオリュンポス山19 を攻め登ったテーマと同一視した。しかしそれ以上のことなのである。火の旧所有者の『ガチャガチャ音を立てる戸』(歳差運動する分点)が音を立てて動くのを止めたとは、はっきり述べられていないけれども、牡鹿はその『火』を求めて定められた正にその瞬間に戸を通ることによって、確かに新しい通路を開いたのである。
17《1854-1941; スコットランドの人類学者神話学者; The Golden Bough 「金枝篇」 (1890-1915) 研究社新英和大辞典第6版
18【 ギリシャ神話】《巨人族 (Giants) とオリュンポスの神々との戦争; この戦争で巨人族は滅ぼされた》研究社新英和大辞典第6版
19《ギリシャ北部, Thessaly と Macedonia との境の連山の東端にある高峰 (2,911 m); ギリシャ神話ではその山頂には主神 Zeus の下に Apollo, Aphrodite, Ares, Artemis, Athena, Demeter, Hera, Hephaestus, Hermes, Poseidon,Dionysus (時に Hercules, Hestia) の神々が住んでいたと伝えられる; 現代ギリシャ語名は Olimbos》研究社新英和大辞典第6版