2015年 10月 30日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#298 |
翻訳続き#298
それがなんであれ、惑星にある川の、上方と下方にあるものは同じであるとされているのである。巧妙な工夫によりダンテはこの時点で古代神話の資料で構成されたクレタの巨人像を持ち込んでいる。彼は、(黄道12宮の各宮の表わす)世界の時代を川と同一視することによって、川は時代 Time と一致することを強調している:その時代とは、現れることになる時代ではなく、過ぎ去った時代—「罪の汚れ」生きていた時の人生の過ちが一杯の荷物を共に持ち去る時代のことである。
13世紀の人間の精神は依然古代の構造物に非常に敏感だった。しかしそれ以上のもの、火星の円形広場を用いていることによって、思いもしないダンテの見識が現れているのである。。荘厳なキリスト教の構成になっている詩のような作品の中に、精妙な論理的構造の中に、『ヴェールのかかった奇妙な韻文』とそれらの覆い隠した意図を超え、ダンテが言いたい以上に大事にしていた事、アリギエーリ(Dante が属する Florence の家系)の家系を自ら選んで生まれた人間であるという事がちらりと見えるのである。詩人というものは自己の真実を抑制する事は出来ない。「物事の道理によって失敗すると定められている、最後の絶望的な試みの時南西方向に向かって出発したユリシーズは、『人間達の入れない世界に』到達しようとするが、目的地を目の前にしながら渦に呑み込まれてしまう」というのはシンボルなのである。それは詩人ダンテの意識的な考えで表わされたのではなくて、その行自体の力によって、『準星』からやって来た光りのように、極めてかすかに表わされているのである。確かに、ギリシャ人ユリシーズは、人生に於いて不敬を重ねた事と同じ程多く無慈悲な計略を行った事に対して地獄を彷徨い続ける:彼はウェルギリウスによって『極端にどう猛』というレッテルが貼られている;この文言は認められていたのである。しかし彼は神に逆らって経験と知識を得ようと最後まで押し通した人物であった。彼のルシファー的な傲慢さは天国の至高の調和ある合唱隊よりもはるかに我々の記憶に残っているのである。
(訳註 (翻訳紹介した本)『The Key』の中で、訪問者が火星に関して話した内容を思い出す。中でも以下の会話がここの「ユリシーズ」と重なっているように思われる:
「我々は何をしたのでしょうか?」
私はね、君たちにそれを率直に言うことはできるよ。でもねー、君たちは私を信じないだろうね、心の中ではね。君たちの心は否定の心になっているんだよ。良ーく聴きなさい。これから話すことは、君たちが楽園を去って以来初めて、知識の樹の果実をとることについてこれまで語られて来た物語の、真実の物語を話すことになるから。
君たちは神に向って戦争を始めた。君たちは宇宙の最深の知識の意義を得ようと争った。君たちが無いものだと思ったものを欲しくて。貪欲が君たちをその知識を見つけさすことに駆らせたのだ。その知識は、神から分離する君たち自身の知識なのだ。君たちは、神に委ねられていることは神によって奴隷にされていることだ、と妄想したのだ。君たちは、我々に自己を与えることが唯一自由になることなのだ、ということが分らなかったのだ。人間は神の召使いであるのではなくて、我々がすべてそうであるように、人間は神なのであるということを理解しなかったのだ。
「現実の、物理的な戦いがあったと?」
神聖な科学がある。それはね、時間と空間の完全な支配を可能にさせるものなのだ。君たちはね、この科学に近づいたのだよ。そしてね、それに基づいたテクノロジーを利用したのだ。君たちは戦争に走ったのだ。この太陽系全体がその戦いで傷を負ったのだよ。中にはね、震え上がるほど悲惨な傷のものがあったよ。君たちはこのことを覚えているんだよ、君たちは戦ったからね。
「私はそんなこと一つも覚えていませんが。」
君たちの種はね、君たちの魂が、至る所ありありと見える過去の現実を否定させるほどの傷をね、魂の中に持っているのだよ。火星はね、君たちが破壊したのだよ。その時点で、介入がなされたのだ。その介入は、君たちがこの惑星を破壊する時、多分おきるだろうがね、再びなされるだろうね。生きている世界の破壊がね、この介入の引き金になるのだよ。
「誰が介入するのですか?」
神が行うのだ。
「つまり、あ、あなたが?」
神はホログラムであることを覚えていなさい。ゆえに、神が行動すると、あらゆるものは行動するのだ。君たちも行動するのだよ。)
by bbex243054
| 2015-10-30 11:07
| 科学
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