2015年 10月 15日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#267 |
翻訳続き#267
Samosata のルキアノス(120?-?80; シリア生まれのギリシャの諷刺散文作家。研究社新英和大辞典第6版)、大昔のことを最も楽しく書いた作家、現代のサイエンスフィクションの考案者、彼は深刻な主題を軽々しくすることなく皮肉を交え明るく取り扱う方法を知っており、さらに古代の宝物も十分承知していた人物であるが、彼は一度「足の不自由なヘーファイストス(【ギリシャ神話】《Zeus と Hera の子; 火と鍛冶仕事の神; ローマ神話の Vulcan に当たる》研究社新英和大辞典第6版)は彼の妻アフロディテがアーレス(Mars)とベッドにいるのに驚いて、他の神々に彼らの恥をさらす為にネットをかけて二人を動けなくした」という笑いを誘う物語は根拠のない空想ではなくて、火星と金星の「合」のこと(2次元的に言えば、太陽と火星と金星が、太陽・金星・火星の順に同一半直線上に並ぶ事)をいっているに違いないのであると注意したが、さらにこうつけ加えると公平になる:それはプレアデスの中で(金牛宮・牡羊座の時に)起きた「合」である。
(訳註 少し前「太陽系の惑星が一直線上になったときに太陽系従って地球は大異変に見舞われる。」と世間を騒がせた天体現象があったが、ここでいう「火星と金星の合」は天文学上の合のことである。さて『合』を表す言葉「conjunction、conjunc-
tiō(ラテン語)」には『連結、結合』の意味がある。ゆえに、極端に言えば「火星と金星がくっついた」あるい「火星と金星のどちらかがノーマルな軌道から外れて異常接近した」と解釈する事もできる。わざわざ合のことを取り扱っている以上、周期的に起きる合のことではなくて、かなり異常な合がおきたこと、それも金牛宮の時代に起きたというのである。ざっと計算すると、今から7〜8千年前頃にそれが起きたといっているように思える。ここに非常に興味を惹かされた本が手許にある:『衝突する宇宙 (WORLDS IN COLLISION)』ヴェリコフスキー著、日本語版1974年発行(原書の書版は1950年発行された)、法政大学出版局、のことである。それは大雑把に言えば『紀元前15世紀頃に木星から生まれた巨大水星が太陽系の軌道を乱し、火星が地球に大接近し、その結果、その水星は水星と地球の間に入り込んで現在の金星になった。』というのである。彼はその根拠を世界各地から幅広く手当り次第に収集した『神話、伝説、口碑、古記録』から導き出したのである。当時天文学者はすべて「馬鹿げている」とゴウゴウと非難したが、科学者の中には公然と支持する人もいた。私はこれを二十歳代に読んで「本当のことではないか」と思った程の内容、説得力ある本だった。そこに引用された参考文献は実に573件!もある。それ自体驚くべきことである。相当の言語能力がなければこれらの文献にあたって読む事はできないと思う。本書の著者はこの本には一切関係していないが、話の中身からして、ここで述べられた「火星と金星の金牛宮の時代に起きた合」は、ひょっとしたら、ひょっとしたらの妄想であるが、ヴェリコフスキーの主張したのはこの事を言っているのではなかろうかと思われる。)
by bbex243054
| 2015-10-15 15:09
| 科学
|
Comments(0)