2015年 10月 09日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#249 |
翻訳続き#249
さてスサノオは姉のアマテラスの機屋(はた屋)の中でまだら模様の馬の皮を逆剥ぎ其の後ろの部分を投げ捨てたことで天から追放される。
訳註 この部分は日本書紀の原文をかなりはしょっています。『姉のアマテラスの機屋(はた屋)の中でまだら模様の馬の皮を逆剥ぎ其の後ろの部分を投げ捨てた』に該当するところを古事記と日本書紀からそれぞれ引用しますと順に『天照大御神、いみはたやに まして、かむみそおらしめたまひしときに、そのはたやのむねをうがち、あめのふちこまを さかはぎにはぎておとしいるるときに、』、『天照大神の、みざかりに かむみそをおりりつついみはたどのにましますをみて、すなわちあまのぶちこまを さかはぎにはぎて、おほとののいらかをうがちてなげいる。』となります。漢字を敢えて使っていませんので、意味不明かと思います。お持ちであればそれぞれ岩波文庫古事記36頁2〜4行、同日本書紀(一)74頁12〜13行をご覧下さい。英語訳は少し違っているように思われます。しかしこの日本語を翻訳するのはかなり困難だったでしょう。現代日本人でも理解することは難しいかもしれませんから。
このような突然の無礼な振る舞いは法典の一部のように思われる即ち「Enkidu(ギルガメシュ《バビロニア伝説の王; 紀元前 2000 年ごろの叙事詩 Gilgamesh Epic の主人公》の別名)はこうしてイシュタル(アッシリア・バビロニアの豊穣・多産・戦争の女神;フェニキアの Astarte に対応する。リーダーズ英和辞典第3版)の目の前で天から牡牛の後ろ4分の一を投げ捨てた」の部分のことであるが、日本書紀では動物の「逆剥ぎ」が加えられていることで「暗号」の特徴となっている(暗号なのである)。
訳註 大谷司完著「天使の声」654頁にある『わが国に於いては、古典が唯一のものであり中でも古事記の上巻と、日本書紀の第二巻迄が神代史となっている。それ以下は歴史と申してもよいのであるが、されど他民族の歴史とはその表現が異なって居り、内容の意義を知らんとするには、単に文字的解釈のみにてはもの足らぬこととなるのである。従って使用されてある『コトバ』の中に含有する、隠れたるもののある事を知る事が、研究上大切となるのである。』に注意されたい。
スサノオの振る舞いがアマテラスを怒らせて洞窟に引き蘢らせることになる:この世は暗闇の中に陥る。80,000(やおよろづ)の神々が銀河に参集して相談を始めるが、終に太陽(アマテラス)を洞窟から巧みにひきだして暗黒を終わらせるための方法が考え出される。それは低級コメディーのトリック、エジプトのラー(Rā:エジプト神話。太陽神, 日神 (sun god) 《鷹の頭をもつ人間の姿で表される最高神; 頭上には太陽を示す円盤 (solar disk) と王者の象徴である蛇を載せている》研究社新英和大辞典第6版)、ギリシャの デーメーテール(Demeter:ギリシャ神話。《大地・豊饒(ほうじょう)・結婚・社会秩序の女神; ローマ神話の Ceres に当たる; Persephone の母》研究社新英和大辞典第6版)(所謂 Demeter Agelastos または Unlaughing Demeter)や北欧のスカジ(Skadi:【北欧神話】Niord の妻)を巧みに引出すのに使われた常套手段の一部なのである—明らかに別の暗号として考案されている。(原註 年寄りのBaubo, Eleusis で Iambe とも呼ばれているが、彼の卑猥なダンスは叙事詩エッダの中でロキ神の芳しくないコミカルな行為と同じ類いのものである。どの場合でも急所になるのは神々が笑わされなければならない、ということである(appendix #36 も参照されたい)。
by bbex243054
| 2015-10-09 14:13
| 科学
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