2015年 10月 04日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#236 |
翻訳続き#236
原註 (上記6行の叙事詩に関しては)A. Bastian, Die Heilige Sage der Polynesier ポリネシアの神聖な叙事詩伝説 (1881), pp. 69-121 を読まれたい。その最後の三行:
ぼんやりした月の光りがちらつく中にいるように、フラフラと、
Makalli の闇夜から、雲のヴェールが
影のように、そうなる世界の原型をゾクゾクさせる。
は Roland B. Dixon の翻訳であるが、我々は彼に加えて Bastian のドイツ語訳に基づいたものを合わせて構成したものが上記の叙事詩である。Bastian はポリネシアの文化と言語に関して傑出した権威者であった。現代の専門家達は彼らなりの訳し方をしている。M. Beckwith(ハワイの神話研究[1940]p.58)は、これら6行の詩を次の様に訳している:
『地球が熱くなった時に/大空がぐるりと回った時に/地球が暗がりになった時に/月を輝かさせる為に/プレアデスが昇る時がきた。』
Makalli(Maori 語では Matariki;ミクロネシアとメラネシアの方言ではそれを Makarika と綴る)に関しては、それはプレアデス(ギリシャ神話。Atlas の 7 人の娘, Alcyone,
Celaeno, Electra, Maia, Merope, Sterope [Asterope], Taygete のこと; Orion に追われて星になったという; そのうち Merope は人間を愛したことを恥じて姿を隠したので the Lost Pleiad と呼ばれ, そのためプレアデス星団には星が 6 個しか見えないのだという。研究社新英和大辞典第6版)をさす名前である、もっとも「Makalli の巣
the net of Makalli」(正確な形は:Huihui-o-Matariki、即ち Matariki の群れcl-
uster)という語句に頻繁に出くわすのであるが。Makalli という『人物』は、我々がヒュアデス(ギリシャ神話。Atlas の七人娘で Dionysus を育てた nymph たち; 兄弟がいのししに殺されたのを悲しんでやつれ果て, 死んで星になったという。研究社新英和大辞典第6版)のことだと考える根拠を持っている第二の人物同様(原書174頁にあり)この群れに属しているが、暗闇の中に潜んだままである。
以下を参照されたい: E. Tregear の The Maori-Polynesian Compararative Dictionary(1891) にある Matarki の語; N. B. Emerson の Unwritten Literatu-
re of Hawaii (1909), p. 17; M. W. Kakemson の 、The morning Star Rises: An Account of Polynesian Astronomy (1941), nos. 327, 380; Beckwith の、ハワイの神話研究 p. 368; K. P. Emory の Tuamotuan Religious Structures
and Ceremonies (1947), p. 61。
ヒュアデスとプレアデスは中国の天体では「天空の狩猟ネット」とされているが、それについては G. Schlegel の L'Uranographie Chinoise (1875; repr. 1967), pp. 365-70 を参照されたい。
・・・・第10章終了・・・・
by bbex243054
| 2015-10-04 10:24
| 科学
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