2015年 09月 24日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#215 |
翻訳続き#215
区別がされていることは直ぐに明らかになる。恒星は存在するもの(Being)の本質を示しており、それらの集団は全体を支配する秘密の計画や語られることのない法則を表わしている。惑星は、神と理解されて、力(the Powers)や意志(the Will)を表現しているのである:全ての力は、そのどれもが天の力(heavenly power)の一面を表わし(訳註 占星学の用語で「星相」と表現されている。)、そのどれもは、無慈悲な必要性と精密さの一面が天(heaven)によって表現されたものだと理解されている。恒星が王の力を、沈黙して不動の姿で、表わすのにたいして、惑星は行政官になるのである。
それらは全体として調和しているのだろうか?「調和が保たれている」というのは、瞑想にふける人が何度も何度も表現してきた夢、ケプラーが「天体の調和」の下書きの中に書き留めて解決しようとした夢だったのである。しかもそれは「回転する」天空という言葉の中に聖化されていた。これは、古代の思想家達は、その周期の間にあらゆる動きが全ての惑星を元の配置に戻すことになる「a Great Year プラトン年 」(歳差運行が一巡する約 25,800 年の周期)と表現して信頼していることから、理解されるのである。しかしその計算は極めて初期の頃疑いやそれと共に不安を生み出していたのである。極めて稀なことであるが、そのような見解を明確に述べているものが一つだけある。ここにそれ、エジプトの「死者の書」にある一節を記そう;オシリスはこう語っている:
おーい、トート(【エジプト宗教】体は人間で頭はトキ (ibis) またはヒヒ (baboon) の神; 神々の書記役で数字・文字の発明者, 学問・知恵・技術・芸術・魔法の神; ギリシャの Hermes に当たる。研究社新英和大辞典第6版)!何ということだ、ヌート(【エジプト神話】古代エジプトの天空神; 夫である大地神 Geb の上に立つ大気の神 Shu に支えられる; 背中に太陽の神 Ra を画いた雌牛として表される; Nuit ともいう。研究社新英和大辞典第6版)の神聖な子供達に何が起きたんだ?あの子達は戦争を始めてしまったぞ、戦いに賛成して、虐殺をしている、難儀なことをしたもんだ:まったく、彼らのしていることはすべて、強者が弱者にすることだ。おお、力あるトート、それはアトゥムの神が命じた(成し遂げられように)事だと認めてくれ!そうすれば、彼らが自分たちの「年 years」を混乱させ、自分達の「月 months」を騒乱に追い込んだ時に、それは怒りを引き起すような邪悪なことでも狡猾さでもないと、汝は看做されることになる;(そうでもしないと)彼らが汝にしたすべてのことは、彼らが不法なことを密かに行ったことになるからね。(『原註略』)
訳註・参考事項(ウイキペディアから引用)
アトゥムは:原初の水「ヌン」より自らを誕生させ、他の神々を生み出した偉大な造物主である。古代エジプト人たちが最も原初に近い生物として認識していた「蛇」の姿をして誕生した。「蛇」は死を運ぶ忌まわしき存在であり、強力な力を持つ畏怖すべき存在であると同時に、脱皮によって無限に死と再生を繰り返す、生命を象徴する存在でもあった。世界が破滅を迎え「ヌン」の中に帰っていく時、再び「蛇」の姿をとるとされる。基本的には人間の姿をしており、二重王冠を被り、アンクとウァス杖を手にした姿で描かれる。最初の独り神であったため自慰によって大気の神シューと湿気の女神テフヌトを生み、さらにこの2神から大地の神ゲブと天空の女神ヌトが生まれ天地が創造されたとされる。独力で他の神々を生み出したため、両性具有の存在とされる。後年、妻となる存在が与えられたが、この妻「イウサーアス」もしくは「ヘテベト」は、アトゥムと完全に切り離された存在ではなく、アトゥムの身体の一部にして女性的な部分、即ち、アトゥムの「手」を象徴し、アトゥムの「手」に神格を与えた存在とされる。また、こうした神話の一方で、「朝の太陽」として世界を照らす神であるとも信じられていた。そのため、後には太陽神ラーと習合して「ラー・アトゥム」となった。ケプリやラーといった他の太陽神の姿に次々と変じながら、昼と夜を旅して、悪しき蛇「アポピス」と戦うとされた。
アトゥム信仰は下エジプト第13ノモスの州都「ヘリオポリス」で起こったとされる。その成立年代ははっきりしないが、おそらくヘリオポリスが都市としての役割を果たすようになった頃には、既に創造神として崇められていた。他にも上エジプト第2ノモスの「エドフ」など、ナイル川西岸の都市や、ナイル川下流のデルタ地帯のいくつかの都市で、信仰されていた。ヘリオポリスには、太陽神であるアトゥムを象徴するベンベン石があり、信仰の対象となっていた。アトゥムはこの石の上に立ち、世界を照らしたとされる。しかし、後にこの石は、ラーやアメンを象徴することになった。あらゆる太陽神信仰の根底にあったものの、アトゥム独自の祭礼が行われることはなかった。アトゥムはファラオの魂が神になるのを助ける存在としても崇められていた。そのため、後年、アトゥムは冥界を旅する魂を守る神とされた。
by bbex243054
| 2015-09-24 13:16
| 科学
|
Comments(0)