2015年 08月 12日
HAMLET' S MILL の翻訳(『THE KEY』に関連して)#107 |
翻訳続き#107
クリシュナは愚か者を粧うことはしない、笑みをうかべる人物である。彼は、彼を最上位の神だと崇拝したいと言う人に対してはだれであっても、実際はそうなのであるが、自分は単なる人間にすぎないと再三強調する。彼が『復讐者』として特に知られているのでもない。彼は高位の筋から、以前のどの化身の場合においても地球を自由にした様に、そのために派遣されたのであるが、それは Asura をおおいに煩わした。このことによってクリシュナが物語にふさわしい人物になっていることが分る.何故ならば、インドの伝説には宇宙(cosmos)の枠組みで物事を考えるという意識が残っているからである。しかも神話に登場する、戦争の勃発と「罪や罰の観念」に、意味を与えるのはこのインドの伝説だけなのである。
哲学と神話学を注意深く分けておくのは有用である。父親の復讐をする多くの神々や英雄達は、『Horus-the-avenger-of-his-father 父親の復讐者ホロス(訳註 古代エジプトの主神。オシリスとイシスの子で鷹の形をとる。)』そして『父親の仇を伐った Ninurta』を皮切りに、前もって定められた機能をもっているのである。邪悪な叔父(Kansa)の機能について長い行が割かれているように。哲学者であったアナクシマンドロス(訳註 古代ギリシアのミレトス学派の自然哲学者。万物は、不生不滅で何らの限定ないもの(アペイロン)から出て、またそれに帰ると考えた。(前610頃〜前547頃)広辞苑第六版)が言っている様に、このような登場人物はお互いに、共通しているのだが「時間の順序に」行った不正に対して償いや賠償を払っている。お伽噺の言葉使いにもかかわらずインドの叙事詩はアナクシマンドロスのその考えに類似している。Vishnu は規則的に「復讐者」の資格に戻っている。戻る度に『時間の順序に従って』悪人の叔父の『償い』を集めるのである。マハーバーラタでは Vishnu はクリシュナの名前の下でそれを行うが、それにおおいに煩う Asura の地球を清めるために別の形に化身して再び戻ることになっている。この Asura も厳密に時間の順序に従って『横柄なキャラクター』になったのである。Vishnu の Ka-
lki と言う名前の人物は、我々の現在のKali Yuga が悲惨な終わりになる時に、新しい Krita Yuga (黄金時代)を齎すことになっているのである。
by bbex243054
| 2015-08-12 11:09
| 科学
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